SNS運用代行のフリーランスは信頼できる?
フリーランスのSNS運用代行サービスの利用には多くのメリットがあります。とくに、中小企業や個人事業主にとっては、コストを抑えつつ専門的な知識と経験を活用できる点が魅力です。しかし、フリーランスは本当に信頼できるのでしょうか。本記事では、SNS運用代行のフリーランスは信頼できるのかをくわしく探ります。
SNS運用代行とは
SNS運用代行とは、企業や法人のSNSアカウントの運用を代行する外注サービスです。
ソーシャルメディアマーケティング代理店(SMMA:Social Media Marketing Agency)とも呼ばれます。おもな対象となるSNSは、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTokなどです。
Baseconnectのデータによると、2023年9月時点でソーシャルメディア運用代行の会社・企業として登録されている企業数は277件にのぼります。また、2021年には150社だった企業数が2023年には270社に増加しているデータからも、SNS運用代行の需要が急速に高まっている傾向が伺えます。
さらに、個人でSNS運用代行を請け負うフリーランスも多数存在しており、企業・個人を合わせると少なくとも数千規模のSNS運用代行サービスがあると推定されます。
SNS運用代行のおもなサービス内容
SNS運用代行のサービス内容は事業者やプランによって異なりますが、投稿業務や分析、ソーシャルリスニングやマーケティング、採用活動、キャンペーン企画・運用のサービスがあります。
投稿業務とは、テキストや画像などのコンテンツを作成し、企業アカウントを使用して定期的に投稿をする業務です。ブランドイメージやSNS運用の目的に合わせて、利用者の共感や拡散を呼ぶコンテンツを作成します。
また、SNSを通じて顧客やフォロワーとコミュニケーションを図る役割も重要です。そして投稿した内容の分析業務も大切です。フォロワーやほかのSNS利用者からの反響を分析し、投稿コンテンツを最適化していきます。
また、SNS利用者の自然なコミュニケーションの収集や分析により、ユーザーの要望や需要、炎上の兆候などを幅広く把握し、企業のブランディングやリスクマネジメント、プロダクト開発に役立てます。さらに、運用代行業務は企業の採用活動にも役立ちます。
SNSの拡散力を活かし、効率的に人材と企業をつなげてくれるでしょう。このようにSNS運用代行は、さまざまなサービスで企業にメリットをもたらします。
フリーランスのSNS運用代行サービスは信頼できるのか
運用代行サービスを提供する事業者は、おもに企業(法人)とフリーランスに大別されますが、フリーランスによるSNS運用代行サービスは信頼できるのでしょうか。
ここでは、フリーランスを利用するうえで考えられるメリットとデメリットを解説します。
費用が安め
フリーランスによるSNS運用代行の最大の魅力は、費用の安さです。
企業に委託する場合に比べ、コストを大幅に抑えられるため、中小企業やスタートアップ企業には大きなメリットといえます。しかし、低価格である反面、サービスの品質に幅がある点に注意が必要です。
サービスの質にばらつきがある?
フリーランスのサービス品質は、個々のスキルや経験によって大きく異なります。
もちろん質の高いサービスを提供するフリーランスもいますが、一般的にはかんたんな作業に留まるケースが多いです。そのため、フリーランスに委託する際は、スキルや実績を慎重に確認する必要があります。
また、サポート品質についても企業に比べて期待できません。フリーランスでは、対応できる時間に限りがあるため、トラブル時の急な対応が難しい場合が多いためです。また、受注した業務を途中で放棄される、急に連絡がつかなくなるリスクもあります。
対応力には疑問が残る
セキュリティと個人情報管理に関しても、フリーランスの対応力には限界があります。
多くの場合、SNSプラットフォームに標準装備されたセキュリティ機能のみを頼りにするため、アカウントの乗っ取りや情報漏えいのリスクが高まります。
また、フリーランスのなかには厳格なコンプライアンスを意識している人もいますが、一方でコンプライアンスの重要性を理解していない人も少なくありません。違反の疑いがもたれる投稿をしてしまうと、企業の評判に大きなダメージを与える可能性があります。
SNS運用代行業者の選定で失敗しないためのポイント
最適なSNS運用代行業者を選ぶには、業務内容に適した業者を見極めなければなりません。
ここでは、SNS運用代行業者選びで失敗しないためのポイントをご紹介します。
企業とフリーランスの選択
「本格的なSNSマーケティングを通じて業績向上を図りたい」「自社ブランドを確立したい」「SNSによる顧客コミュニケーションを重視したい」ときは、企業への依頼がおすすめです。
一方、フリーランスへの委託は、定期的な投稿のみの運用方針である場合や形式的な運用が目的で業績への影響を重視しない場合に適しています。
実績と経験の確認
具体的な実績を重視し、受託先の実名やプロジェクト名などを確認しましょう。
ただし、コンフィデンシャルな情報が含まれるため、公開可能な範囲で具体的な実績を確認する必要があります。また、依頼前にミーティングを行い、受け答えを見て信頼性を判断する対応も重要です。
運用規模に対応できるか
大規模なSNS運用には、高いコンテンツ制作能力と頻繁な投稿が求められます。
運用体制が整っているか、チーム編成を確認しましょう。想定する運用規模にSNS運用代行業者が対応できるかの確認が大切です。さらにSNS運用では、ブランドイメージやメッセージなどを深く理解し、共有できる業者を選びましょう。
まとめ
フリーランスのSNS運用代行サービスはコスト面で魅力がありますが、サービスの品質やサポート体制、セキュリティ、コンプライアンス、緊急対応などの面でリスクがともないます。フリーランスにSNS運用を委託する際は、信頼できる人材を慎重に選び、必要なサポートや対策が確保できるかの事前確認が重要です。フリーランスに依頼する際は、リスクを念頭に置き、信頼できるフリーランスを見極めましょう。