オウンドメディアリクルーティングとは?注目を集めている理由を解説
近年、スマートフォンによって、求職者は求人情報を探しやすくなりました。一方で、企業側は、優秀な人材確保を効率的に行うことが課題となっています。そこで、インターネットを味方につけたオウンドメディアリクルーティングが注目されているのです。ここでは、オウンドメディアリクルーティングについてわかりやすく解説します。
オウンドメディアリクルーティングの定義
まず、オウンドメディアとは、企業が運営しているメディアのことです。ホームページやブログ、Twitter、Instagram、Facebook、youtubeなどが当てはまります。それらのメディアを採用支援として利用することを、オウンドメディアリクルーティングといいうのです。オウンドメディアリクルーティングには、以下のような目的があります。
■企業の魅力を発信
インターネットツールを自由に利用して、企業の魅力をアピールします。企業理念はもちろん、企業の歴史や業務内容、福利厚生、社員インタビュー、企業の外観や内装など、視覚的、聴覚的にアプローチができるのです。求職者の興味をひくことを目的としています。
■未来の求職者に向けて情報を発信
求職をしていなくても、魅力を伝えることで「この会社で働いてみたい」と思わせることも狙っています。同業他社のスキルを持った人材が、転職の対象として考えるきっかけになれば、優秀な人材の採用がスムーズになるのです。
■企業の価値観に共感した人材を募集
企業が、重きを置く価値観を開示します。そこを理解した応募者であれば、効率的な採用活動が可能です。給与、通勤時間、業務、残業、休暇、福利厚生、人間関係など、入社前から詳しく理解することで、早期退職を防止します。
■求人サイトに頼らず採用活動
求人サイトは、求人情報のみを載せるサイトです。求人サイトに乗せた情報は多くの人の目に留まりますが、企業のメリットといった詳細を載せることができません。
また、少ない画像と短い文章でアプローチをしなくてはならいのです。しかし、オウンドメディアリクルーティングなら自由に表現し、企業の魅力を発信できます。
オウンドメディアリクルーティングが注目されている理由
採用支援として、求人サイトに載せることが主流でしたが、オウンドメディアリクルーティングを利用する企業は増えています。その理由をご紹介しましょう。
■優秀な人材の採用が難しくなっている
少子化により15~29歳の若年層の労働人口は年々減少しています。可能性ある若者を採用することは、意外と難しくなっているのです。
そこで、若者に身近なインターネットでのアプローチはとても有効です。とくにTwitter、Instagramは、毎日活用している若者が多いので、企業に対して興味を持たせることに期待ができます。
■採用の窓口を広げていく必要がある
求人サイトの場合、ターゲットは新卒就活者や転職希望者が基本になります。しかし、そこだけを狙わず、働くことができるすべての人口にアプローチできるのがオウンドメディアリクルーティングです。
オウンドメディアリクルーティングを見て「働く予定はなかったが興味がわいた」「転職をしたくなった」「自分に合っていると思った」など、出会えなかった層への可能性が広がります。
■労働に対する価値観が多様になった
最近では「自分の価値観を大切にして働く」といった、求職者が増えています。さまざまなライフワークがあるなかで、いかに「働きたい」「ここなら安心」「頑張れそう」と思ってもらえるかが、採用のカギです。充実した毎日をおくれることを、オウンドメディアリクルーティングでは表現できます。
オウンドメディアリクルーティングのメリット
オウンドメディアリクルーティングにはどのようなメリットがあるのか、こちらでご紹介します。
■求人サイトより自由
求人サイトであれば、採用に関する情報以外を載せることができません。また、掲載期間や文字数、スペース、レイアウト、デザインに制約があります。しかし、オウンドメディアリクルーティンであれば、写真、動画、音楽などを自由に利用し、インパクトのある求人をつくれます。
■ミスマッチを減らし、活躍する社員を採用できる
企業の理念、社風、必要とするスキルや人間性など、求人サイトよりも自由に発信することができるので、より価値観の理解が深まります。採用後も納得したうえで働くので、価値観のミスマッチによる早期退職を防げるでしょう。
■コスト削減
求人サイトを利用する場合、何件か違う職種、部署名で掲載すると、そのぶんコストがかかります。しかし、オウンドメディアリクルーティンであれば、何件求人を載せても、コストはかかりません。コストを気にせず、常に求人ができます。
オウンドメディアリクルーティングの始め方
オウンドメディアリクルーティングを始めるのに、必要な準備工程を解説します。
■採用するポジションの職務・必要な要素を洗い出す
人員不足の部署、必要なスキル、必要な人数など具体的なことを洗い出し、明確な採用ターゲットを決めます。たとえば、職務内容や権限の範囲、必要とされる技術・知識、資格、経験、学歴などを決めておきましょう。
■実際活躍している人材がどのような要素があるかモデルにする
既存の優秀社員の特徴を分析して、企業としての求めるすがたを具体化します。学歴、経験値、さらに性格や性質などです。
真面目さ、冷静さ、行動力、コミュニケーション能力、創造力、思考力、忍耐力、協調性、柔軟性など求める要素を決めておきましょう。採用すべき人材は、どこに重きをおくかを細かく分析し、そこを最終的なターゲットとします。
■ターゲットにむけた魅力を整理する
採用ターゲットが何に魅力を感じて、働きたくなるかを考えます。やりがい、給与、安定感などは働くうえで、重要です。また、最近では柔軟な勤務体制や時間の自由さ、福利厚生なども、勤務先に望むメリットとして挙げられます。
■他社との比較でポジショニングを明確にする
競合他社のメリットを調査し、ターゲットに向けて独自のメリットをアピールする必要があります。差別化して、ターゲットを働きたい気持ちにさせるのがポイントです。これらの準備をしたうえで、システム作りをしましょう。
オウンドメディアは採用支援以外にも、充分に役立ちます。新商品の宣伝、キャンペーンの拡散、顧客アンケートなど、スマートフォンの向こう側には、あらゆる人間のニーズが待っています。
多方面から注目されることで、人材採用までの架け橋になるでしょう。働きたくなるような独自性を、素敵なオウンドメディアで伝えていけます。