ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違いとは
これまで、企業が人材を募集するときは、求人媒体などに採用情報を掲載し、応募者を待つというのが一般的でした。しかし近年、ソーシャルリクルーティングやダイレクトリクルーティングという採用手法が増えてきているのです。この記事では、ダイレクトリクルーティングについて、またソーシャルリクルーティングとの違いを詳しく解説します。
ダイレクトリクルーティングとは
求人媒体のような第三者を介さずに、企業が直接人材にアタックをする採用手法です。これまで、求人媒体などの採用情報に応募してくる人をただ待つだけでした。しかしダイレクトリクルーティングを活用することで、待つだけではなく、自社に適した人材を自ら捕まえに行き、より効率よく優秀な人材を集められます。
■ダイレクトリクルーティングの具体例
具体的に企業が行っている採用手法としては、社員が自社に合った人材を紹介・推薦するリファラル採用、自社のホームページを活用した採用、人材データベースを持つ企業が提供しているダイレクトリクルーティングサービスの利用などが挙げられます。
ソーシャルリクルーティングとの違い
ダイレクトリクルーティングに近い言葉で、ソーシャルリクルーティングという言葉があります。ソーシャルリクルーティングとは、ダイレクトリクルーティングの一つで、SNSを活用した採用手法のことを指します。
■ソーシャルリクルーティングのメリット
SNSを通して、企業の雰囲気や様子をそのまま求職者に伝えられるというメリットがあります。また、就職活動や転職活動をしている人が多い20代や30代は、SNSを活用している人も多いです。そのため、企業側も採用業務にそこまでコストをかけずに、自社に適した人材にアタックができます。
ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
ここからは、ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットを見ていきましょう。
■採用コストのカット
ダイレクトリクルーティングは、採用コストを大幅にカットできます。求人媒体を利用した採用手法は、広告掲載費や人材紹介手数料などのコストが大きくかかってしまいます。
しかしダイレクトリクルーティングなら、ダイレクトリクルーティングサービスを利用したとしても、求人媒体を利用するよりも安く収まるのです。また、SNSを活用したソーシャルリクルーティングを実施すれば、さらにコストを抑えられます。
■さまざまな人材にアタックできる
ダイレクトリクルーティングは、企業が自ら人材にアタックしていくため、求人媒体には応募してこなかったような人材を見つけられる可能性があります。
■求職者とのミスマッチが減る
求人媒体を使った採用手法の中でよくあるのが、求職者とのミスマッチです。しかしダイレクトリクルーティングなら、求職者と直接やりとりをするため、意思疎通がしやすく、ミスマッチを少なくできます。
■自社の採用力を高められる
ダイレクトリクルーティングでは、人材を選定してアタックをし、その後の面接、入社手続きまで、すべて自社で行います。そのため、自社の採用力を高められるのです。
■採用工数の負担が大きい
ダイレクトリクルーティングのデメリットとしてまず挙げられるのが、採用工数の負担の大きさです。データベースやSNSでの検索による候補者の選定、自社の魅力や詳しい仕事内容を伝えるスカウトメールの作成、応募者の管理や面接日の調整、ターゲットの入社意欲を高めることなど、採用に関するすべての業務を自社で行います。そのため、採用担当者にはかなりの負担がかかってしまいます。
■最初は時間がかかる
採用工数が多い分、ダイレクトリクルーティングによる採用手法が定着するまでは、それなりの時間がかかってしまいます。また、すぐに優秀な人材を採用できるようになるわけでもありません。採用ターゲットの選定やオファーの文面など、その都度課題を見つけ、改善していく必要があります。
■候補者の選定が難しい
ダイレクトリクルーティングでは、最初の候補者の選定が非常に難しいです。自社からアタックをして採用する以上「面接をしてみて、やっぱりお断り」なんてことは避けたいですよね。そのため、最初にアタックをするとき、慎重に見極める必要があります。
■大量採用には向いていない
ここまでお伝えしたように、ダイレクトリクルーティングでは、採用工数が多く時間がかかったり、候補者の選定が難しかったりというデメリットがあります。そのため、採用できる人数は限られてしまうのです。したがって、大量採用には向いていない手法といえるでしょう。
ダイレクトリクルーティングが向いている企業
メリットが多い分デメリットもあるダイレクトリクルーティングですが、一体どのような企業に向いているのでしょうか?
■求人媒体等では欲しい人材に出会えない企業
専門性の高い分野や、高いスキルが必要な職種の場合、従来の求人媒体からは人材が集まりにくい傾向があります。今まで求人媒体や人材紹介会社などに採用情報を掲載してもなかなかいい人材に巡り合えなかったという企業は、ダイレクトリクルーティングをしてみる価値があるでしょう。
■採用力を高めたい企業
ダイレクトリクルーティングはすべての採用業務を自社で行うため、採用力を高めたいという企業にもおすすめの手法です。
インターネットが普及し、多くの人がSNSを利用する現代、採用手法も変化してきています。ダイレクトリクルーティングを活用することで、今まで出会えなかったような自社に適した人材に出会えるかもしれません。採用業務に悩んでいる企業担当者の方、ぜひダイレクトリクルーティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。