SNSに画像を載せるときの注意点は？著作権への理解を深めよう！

SNSに画像を載せる際には、著作権への配慮が不可欠です。無断で他人の写真やイラストを使用すると、法的トラブルに発展する可能性があります。本記事では、著作権に関する基本的な知識や、SNSで画像を共有する際の具体的な注意点をくわしく解説します。安心して画像を投稿するためのガイドラインを学びましょう。

これはアウト？SNSにおける著作権違反の例とは

SNSの普及により、誰もがかんたんに写真や動画を共有できる時代になりました。

しかし、写真や動画の投稿には著作権という重要な法律の知識が欠かせません。著作権とは、著作者が創作した著作物に対して与えられる権利であり、適切な利用を促すために設けられた制度です。

著作権法では、著作物を「思想または感情を創作的に表現したもの」と定義し、小説や音楽、絵画、映画、コンピュータプログラムなどがこれに該当します。この記事では、SNSでよく見られる著作権侵害の例について具体的に説明します。

SNSのアイコン・ヘッダーの画像や動画

SNSのアイコンやヘッダーに使われる画像や動画は、私的使用の範囲外とされるため注意が必要です。

たとえば、自分の顔写真をアイコンにするのは問題ありませんが、他人の写真を許可なく使用するのは著作権侵害になります。芸能人の写真や、友達や家族の写真も同様です。

とくに他人の写真を無断で使用すると、肖像権（他人から無断で写真を撮られたり、撮られた写真が無断で公表されたりしないように主張できる権利）の侵害にもあたります。

既存のキャラクターの使用

アニメやゲームのキャラクターをアイコンに使う場合も著作権侵害に該当します。

ネットから拾ってきた画像を使うだけではなく、自分がもっているグッズのキャラクター部分を撮影して使用する場合も同様です。さらに、自分で加工した場合でも、元の著作物の本質的特徴を保ったまま使用すると、元の著作物との類似性や依拠性が認められて著作権侵害となります。

楽曲の無断使用

アーティストの楽曲をBGMに使った動画をSNSに投稿する行為も、原則として著作権侵害にあたります。

ただし、Instagram、Facebook、TikTokはJASRAC（一般社団法人日本音楽著作権協会）と年間包括契約を結んでいるため、これらのSNSではアーティストの楽曲をアップロードしても問題ありません。

しかし、X（旧Twitter）はこの契約を結んでおらず、著作権侵害にあたるため注意が必要です。ほかのSNSで楽曲が利用可能かどうかについては、投稿前にJASRACのサイトを確認しておきましょう。

引用と転載はどう違う？

著作権法において、他人の著作物を利用する際に引用と転載の異なる行為があります。

これらは似ているように見えますが、法律上の意味や取り扱いには大きな違いがあります。

引用

引用とは、他人の著作物の一部を、自分の著作物に取り込んで利用する行為を指します。

著作権法第32条第1項では、「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」場合に、引用が許されると規定されています。

具体的には、公表された著作物であること、引用の必要性があること、引用箇所とそれ以外が明瞭に区別されていることが定められています。

加えて、本文が「主」、引用部分が「従」の関係にあること、引用著作物に改変が加えられていないこと、そして出典を明記することの6つの要件をすべて満たす場合、引用は著作権侵害には当たりません。

たとえば、論文で他人のグラフを引用する場合、引用するグラフは論文の内容に説得力をもたせるために必要であり、本文が主でグラフが従の関係にあるならば、出典の明記により適法な引用となります。

ただし、グラフを加工した内容の変更は、事実を捻じ曲げる行為とみなされるため注意が必要です。SNSでは、引用リツイートやリポストの機能を利用すれば、著作権者の許可を得た形式で他人の著作物を紹介できますが、公正な慣行にしたがう必要があります。

転載

転載とは、他人の著作物をそのままの形で、自分の著作物の主要部分として利用する行為を指します。

引用とは異なり、転載の場合は他人の著作物が自分の著作物の従である範囲を超えて利用されるため、著作物の著作権者から許諾を得る必要があります。

たとえば「好きな作品だから」「大勢でシェアしたいから」という理由で無断で複製し、ほかの場所に掲載する行為は転載に該当し、著作権侵害となります。

SNS運用代行業者にまかせれば安心？

SNSの普及にともない、多くの企業や個人がSNSを活用してマーケティングやブランディングをするようになりました。

適切にSNSを運用するため、SNS運用代行業者に依頼するケースも増えています。多くのSNS運用代行業者は、こうした需要に応え、著作権をはじめとした法律を守りながら依頼者の希望に沿って代行業務を行っています。

しかし、SNS運用代行業者と契約する際は、細心の注意が必要です。たとえばSNS運用代行契約では、著作権の権利帰属も重要なポイントです。事業者が制作したコンテンツの著作権がどちらに帰属するのかを明確にしておく必要があります。

原則として、契約書に著作権を譲渡する旨の取り決めがなければ、コンテンツの著作権は制作した事業者側に留保されます。つまり、契約書に明記されていない限り、事業者が著作権を保持している状態になります。

SNS運用代行業者に依頼する際の注意点がある反面、多くのメリットもあります。効果的なマーケティング戦略を実施できる点や、日々の投稿管理から分析までを一括して任せられる点です。

ただし、著作権に関する問題を軽視すると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。そのため、契約書の作成時には、著作権に関する取り決めを入念に行い、双方の権利と義務を明確にする対応が重要です。契約書への明記により、後々のトラブルを防止できます。

まとめ

以上のように、SNSでの著作権違反は多岐にわたります。個人の利用であっても、私的使用の範囲を超える場合は著作権侵害となる可能性が高いため、投稿する前の入念な確認が重要です。また、SNS運用代行業者に依頼する際は、契約書に著作権に関した取り決めを明記し、双方の権利と義務を明確にする対応でトラブルを防止できます。著作権を尊重した正しい利用により、クリエイターの権利を守りながら健全なSNS運用をしましょう。